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第3回一枚絵で書いてみm@ster参加作品『朧げな光、二人の夜、散る桜』

やっつけですが書き上がりました。本文は全て格納します。

課題絵:
第3回一枚絵で書いてみm@ster課題絵
(絵師:コミズミコ氏)

朧げな光
二人の夜
散る桜

一体これは、何だろう



雪歩が言った

きっと、取り残されたんだよ
六等星ほどの朧げな光を撒く桜の中に
肌を貫く冷たい微風の中に
かすかな呼吸が花びらに吹きかかる

二人の目が見つめる先は
きっとただの虚空なんだよね
めぐりくる幾多の想いにすがるでもなく
ただぼんやりしている……

考え過ぎよ、伊織が空気を裂く

二人ともただ呆れてるのよ
この日はもう一人桜の木の下に来るはずで
それがいつまで経ってもちっとも姿を見せないから
困り果ててるだけよ

私ならため息も吐き飽きてきっとこうこぼすわ
『何を愚図愚図してるのかしら、ここへ来れば全て済む話なのに』
きっと何かの感情が
右往左往してたんでしょうけど

真は得意げに言う

きっとねえ、こうだよ
一時期さ、春香がプロデューサーのこと好き、っていうウワサが流れたじゃんか
恋するオトメな律子と千早は
そのウワサ話に花を咲かせてたんじゃないかな

律子は、何であんなヘナチョコ男が好きなんでしょうねえ、なんて言ってそうだね
千早はどうだろうなあ、いつか本人が言ってたようにずっと聞き役だったのかな
でもいいよね、こんな瑞々しいトークができるのって、楽しそう
ボクもこの場に混ざりたかったなあ

暗くなるんですけど、とやよいはしょんぼりして言う

四月になったら、桜って散っちゃいますよね
こーんなにキレイなピンク色に光ってるのに
時間が経つと全部なくなっちゃう
きっと二人はそれが寂しいんです

律子さんも、千早さんも、ヒラヒラ落ちてく花びらを見つめてるんです
せっかく張り切って咲かせた花びらが
一枚一枚、砂だらけの地面に降りて、積もっていく
なんだかとっても、切ないです……

あふぅ、とあくびを吐いて美希が言う

そんなの全然カンケーないと思うな
七時過ぎたらおなかすくよね
律子も千早さんもちっちゃな飲み物しかなくて
トホーにくれてるんだよ

もうグーグー、グーグーおなかが鳴って
なんで水しか持ってこなかったんだろーね
別に目の前で何かめずらしーイベントがあってても
美希ならフツーにおにぎりとか食べるけどな

亜美は真顔で言葉を刺す

ミキミキ、ちょっとノーテンキすぎるよ
五百パーセントそんな軽い話じゃないよ
こんな悲しそうな顔してるんだよ
きっと何かあったんだよ

友達がさ、それも付き合い長い
夢が叶わなくて
ゼツボーしてるトコなんて見たら
亜美でもやっぱ悲しくなっちゃうよ

あずさが言う

これは伊織ちゃんも言ってたけど
三人目がいたと思うのよねえ
その子は木の下へ来て、二人としばらく話すと、どこかへ旅立ったの
その背中を心細く見送っているんじゃないかしら

その子は大きな挑戦を目前にしていたの
律子さんも千早ちゃんも、その一部始終に目を瞠って
特に千早ちゃんなんて、仲が良いものだから、一心同体くらいの気分だったんじゃないかしら
……ああいう結果に終わってしまったのは、残念だけれど



朧げな光
二人の夜
散る桜

一体これは、何だろう



春香は、泣いていた

fin
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